インフルエンサー/KOL

SNSマーケティングの最前線——2026年、5つの変化と海外攻略の勘所

SNSは「買う場所」「検索する場所」へ進化し、フィードはAIが組み立てるものになりました。TikTok Shopの急成長やSNSの検索エンジン化など、2025〜2026年のSNSマーケティングで起きている5つの変化と、日本企業が海外で押さえるべき勘所を最新データで解説します。

「SNSマーケティング」という言葉が指す中身は、この1〜2年で大きく変わりました。かつては「アカウントを運用してフォロワーを増やし、投稿を届ける」ことが中心でした。

しかし今、SNSは「買う場所」であり「検索する場所」になり、フィードはAIが組み立てるものへと変わっています。過去のやり方のまま運用していると、気づかないうちに時代遅れの施策を続けてしまうことになりかねません。

この記事では、海外市場を中心に、2025〜2026年のSNSマーケティングで何が起きているのかを、最新のデータとともに5つの変化に整理します。

この記事でわかること

  • SNSが「買う場所」「検索する場所」へと変わった実態

  • AIがフィードとコンテンツに与えている影響

  • 日本企業が海外SNSマーケで押さえるべき最新の勘所

変化1:SNSが「買う場所」になった

最も大きな変化は、SNSの中で発見から購入までが完結するようになったことです。その象徴がTikTok Shopです。

TikTok Shopの世界流通総額(GMV)は、2024年通年で4兆8,000億円(300億米ドル)を超えました。2025年上半期だけで4兆1,920億円(262億米ドル)——前年同期比で約2倍に達しました。

市場別では、東南アジアと北米が牽引しています。

  • 米国:9,280億円(58億米ドル、前年比+91%)

  • インドネシア:9,600億円(60億米ドル)

米国ではライブコマースがGMVに占める比率も10%から14%へと上昇しました。

そして日本にとって見逃せないのが、TikTok Shopが2025年6月30日に日本へ正式ローンチしたことです(世界で17番目の市場)。ユニリーバ・ジャパンや日清食品などが初期から出店しています。

東南アジアや米国が数年先行してきたソーシャルコマースが、ようやく日本でも本格的に使える環境が整いました。裏を返せば、日本企業にとってはネイティブなソーシャルコマースの経験が浅く、海外の先行事例に学ぶ余地が大きいということです。

(出典:Momentum Works × Tabcut、2025年7月。TikTok Shop日本ローンチは各社報道、2025年6月30日)

変化2:SNSが「検索する場所」になった

若い世代は、商品やお店を探すときに検索エンジンではなくSNSを開くようになっています。

この傾向はもはや一過性のものではありません。2024年から2026年にかけての調査では、米国の消費者の49%、Z世代に限れば64%が、TikTokを検索エンジンとして使っていると回答しています。

「レストランを探す」「化粧品の使い方を調べる」といった行動が、Googleではなく TikTok や Instagram のフィード内検索で行われているのです。

これは、SNSマーケティングに「ソーシャルSEO」という新しい観点が必要になったことを意味します。

投稿のキャプション、字幕、ハッシュタグを、ユーザーが検索する言葉に合わせて最適化する——検索エンジン対策で培われた発想が、SNS上でも求められるようになっています。

(出典:Adobe Express調査、2026年1〜2月。起点は米国の若年層に関するGoogle幹部の発言、2022年)

変化3:AIがフィードを組み立てるようになった

かつてSNSのフィードは「自分がフォローした相手の投稿」で構成されていました。しかし今、主要プラットフォームのフィードは、フォロー関係よりもAIによるレコメンド(おすすめ)が中心になっています。

TikTokの「おすすめ」フィードがその代表で、Instagramや他のプラットフォームも同じ方向に進んでいます。

この変化には、ブランドにとって重要な意味があります。リーチがフォロワー数に依存しなくなるため、フォロワーの少ない新規参入ブランドでも、コンテンツの質と形式さえ良ければ一気に拡散する可能性があるということです。

「まずフォロワーを増やしてから」という従来の順序が、必ずしも前提ではなくなりました。

一方で、AI生成コンテンツの氾濫という課題も生まれています。プラットフォーム側もAIが作ったコンテンツをフィードに組み込む方針を示しており、フィードはますます「見られるための競争」が激しくなります。

AIで量産されたありふれた投稿の中で、いかに一次体験や人間味で差別化するかが問われます。

変化4:主役は完全に短尺動画へ

コンテンツ形式の主役が短尺動画に移ったことは、データにも明確に表れています。

  • YouTube Shorts:2025年時点で1日あたり2,000億回超の再生を記録(2024年3月の700億回から約1年で急伸)

  • マーケター側の実感:投資対効果(ROI)が最も高いコンテンツ形式として「短尺動画」を挙げる声が最多

  • Instagram:静止画(エンゲージメント率0.37%)よりリールやカルーセルの方が高い数値

「まず短尺動画ありき」でコンテンツを設計することが、今や海外SNSマーケの前提になっています。

(出典:YouTube公式ブログ 2025年、HubSpot、Socialinsider 2026ベンチマーク)

変化5:クリエイター経済の拡大とマイクロ・ナノへのシフト

クリエイター(インフルエンサー)を活用したマーケティングの市場は、拡大を続けています。

  • クリエイター経済:あるレポートでは市場規模を約40兆円(約2,500億米ドル)とし、2027年には約76兆8,000億円(約4,800億米ドル)へと倍増すると予測

  • インフルエンサーマーケティング市場:2025年に5兆2,000億円(325億米ドル)規模へと成長

同時に、起用の考え方も変わってきています。フォロワー数の多いメガインフルエンサーに一極集中させるのではなく、エンゲージメントが高く費用も抑えられるマイクロ・ナノインフルエンサーを複数組み合わせる——質と本音のレビューを積み上げる方向へとシフトしています。

(出典:Goldman Sachs Research、Influencer Marketing Hub)

発見から購入までのチャネル役割を示した図

図:発見・検討・購入・再購入でチャネルの役割を分けて設計する

日本企業が押さえるべき勘所

これらの変化を踏まえて、日本企業が海外SNSマーケティングで最も注意すべき点は、「国内で通用した型をそのまま海外に持ち込まない」ことです。

市場ごとに、主役となるSNSがまったく異なります。

  • 日本:LINEやXが強い

  • 米国:TikTok・Instagram・YouTube

  • 中国:抖音(Douyin)・小紅書(RED)・WeChat

  • 東南アジア:TikTokとShopeeライブ

どのプラットフォームが「発見の場」で、どこが「購入の場」なのかは、国ごとに設計し直す必要があります。

海外の先行事例を見ると、成果を出しているブランドには共通点があります。

  • クリエイター連携:片手間ではなく本気の投資として扱う

  • 現地化:顧客対応や物流まで現地化する

  • 横展開:勝ちパターンの動画形式を横展開する

TikTok Shopの日本上陸によって、こうした「発見から購入までの一体設計」を国内でも実装できるようになった今、海外の型を学ぶ価値はこれまで以上に高まっています。

まとめ

SNSマーケティングは、大きな変化の只中にあります。

  • 「買う場所」「検索する場所」への進化

  • AIによるフィードの再構成

  • 短尺動画の主流化

  • クリエイター経済の拡大

共通するのは、フォロワー数や再生数といった表面的な指標よりも、「発見から購入までをいかに設計するか」が成果を分けるようになったということです。

Dawinは、海外向けのSNS・インフルエンサー(KOL)マーケティングを強みとし、北米・東南アジア・欧州など幅広い地域で、市場ごとのプラットフォーム設計から実行・レポートまで一気通貫で支援しています。

「海外SNSマーケティングの最新のやり方に自社が対応できているか整理したい」——そんなご相談を歓迎しています。まずはお気軽にお問い合わせください。

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