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予測市場とは?Polymarket・Kalshiの急成長と日本での扱い【2026年10月】
選挙やスポーツの結果を売買する「予測市場」が急拡大し、2026年9月の取引高は額面ベースで約12.7兆円(796億ドル)に達しました。仕組み、Kalshi・Polymarketの勢力図、NBAとの提携や米国の州との法廷闘争、日本から使えるのか、ビジネスへの示唆までを整理します。

最近、ニュースで「予測市場」という言葉を目にする機会が増えた。選挙の当落やスポーツの勝敗に賭けるサービスのようだが、ギャンブルと何が違うのか。日本でも使えるのか。そう感じている方は多いはずです。
2026年10月26日には、米プロバスケットボールのNBAが、予測市場のKalshiとPolymarketを「推奨取引所」に指定しました。米国では、もはや一部の暗号資産ユーザーだけのものではありません。
この記事では、予測市場の仕組みと2026年の急成長、米国での規制の争点、そして日本での扱いを、ビジネスの目線で整理します。
この記事でわかること
予測市場の仕組みと、価格が「確率」になる理由
2026年の取引高の推移と、Kalshi・Polymarketの勢力図
NBAとの提携、米国の州との法廷闘争など最新の動き
日本から利用できるのか、日本での法的な扱いと企業が注意すべき点
結論:出来事の確率を売買する市場が、米国で主流に入りつつある
予測市場とは、「次の選挙で誰が勝つか」「試合でどちらが勝つか」といった将来の出来事の結果を、契約として売買する市場です。
2026年9月の業界全体の取引高は、額面ベースで約12兆7,360億円(796億ドル)。前月比で約56%増え、集計が始まってから最も大きい月になりました。
主役:米国の規制取引所Kalshiが、取引高の約4分の3を占める
追い風:スポーツリーグとの提携、大手証券アプリでの提供
逆風:州のギャンブル規制との衝突、連邦と州の法廷闘争
一方、日本では予測市場の法的な位置づけが定まっておらず、国内で正式に使える状態ではありません。
(出典:DeFi Rate「Prediction Market Volume」(2026年10月28日時点))
予測市場の仕組み:価格がそのまま確率になる
予測市場の基本は、結果が「はい」なら1ドル、「いいえ」なら0ドルになる契約です。
たとえば「チームAが優勝する」という契約が0.62ドルで取引されていれば、市場参加者全体が優勝の確率を約62%と見ていることになります。
買い手:62セントで買い、優勝すれば1ドルを受け取る
売り手:優勝しないと考える人は、反対側の契約を38セントで買う
価格の変化:新しい情報が出るたびに売買され、確率が更新される
この性質から、予測市場の価格は世論調査やアナリスト予想と並ぶ「情報」として、報道や企業の分析に使われるようになりました。
なお、Polymarketの国際版はブロックチェーン(Polygon)上で、ドル連動のステーブルコインUSDCを使って取引します。予測市場がWeb3の文脈で語られるのはこのためです。
2026年の成長を数字で見る
取引高は夏から秋にかけて一段と伸びました。
期間 | 業界全体の取引高(額面) | 補足 |
|---|---|---|
2026年7月 | 約8兆960億円(506億ドル) | |
2026年8月 | 約8兆1,600億円(約510億ドル) | |
2026年9月 | 約12兆7,360億円(796億ドル) | 前月比約56%増 |
9/28〜10/27 | 約18兆9,760億円(1,186億ドル) | 実際の支払額は約4兆5,920億円(287億ドル) |
ここで注意したいのは、額面と実際の支払額が大きく違うことです。額面は契約1枚を1ドルとして数えた値で、確率の低い契約を安く大量に買うと額面だけが膨らみます。
調査会社によっては、同じ9月を約3兆2,160億円(201億ドル)と集計しています。数字を引用するときは、どの基準かを必ず確認してください。
(出典:DeFi Rate(2026年10月28日時点)、Macquarie)
勢力図:主役はKalshi、Polymarketは米国に再参入
Kalshi
Kalshiは、米商品先物取引委員会(CFTC)の認可を受けた取引所です。2026年9月の取引高は約9兆7,120億円(607億ドル)で、業界全体の76.3%を占めました。
Polymarket
Polymarketは、ブロックチェーン上の国際版で知名度を上げました。2022年には米国の利用者に提供していた問題でCFTCと和解し、米国から締め出されています。
その後、CFTC認可の取引所QCEXを約179億円(1億1,200万ドル)で買収し、2026年5月に米国向けアプリの提供を本格的に始めました。9月は国際版と米国版の合計で約2兆1,600億円(約135億ドル)の取引高です。
証券アプリ
米Robinhoodでは、イベント契約(予測市場)の2026年7〜9月期の売上が約277億円(1億7,300万ドル)と、前年同期の6倍を超えました。
(出典:DeFi Rate、Robinhood 2026年第3四半期決算(2026年10月27日))
スポーツとの提携と、州との法廷闘争
NBAが「推奨取引所」に指定
NBAは2026年10月26日、KalshiとPolymarketを推奨する予測市場の取引所に指定しました。同時にCFTCと情報共有の覚書を結んでいます。MLB、NHLに続く3つ目のリーグです。
連邦と州の対立
一方で、州のギャンブル規制との衝突が続いています。CFTCは10月27日、ユタ州を相手取った訴訟を公表しました。ユタ州が10月20日にKalshiを提訴したことへの対抗措置で、CFTCが州と争う訴訟はこれで10件目とされます。
同じ日には、CFTCがPolymarketについて、2022年の和解内容に違反していないか改めて調べていると報じられました。
連邦の規制で認められた取引所なのか、州が規制するギャンブルなのか。この線引きは、米国でもまだ決着していません。
(出典:Inside Sport、CoinDesk、CNBC(2026年10月27日))
日本から使える?日本での扱い
結論から言うと、日本では予測市場を正式に利用できる環境はありません。
Polymarketの対応:日本はウェブサイト上で新規の取引ができない「決済専用」の地域に指定されている
法的な位置づけ:賭博罪との関係について、金融庁や警察庁などの公式な見解はまだ示されていない
国内事業者の動き:国内の暗号資産交換業者bitbankは2026年6月、予測市場への送金を理由に口座を停止する場合があると利用者に告知した
報道では、Polymarketが日本の担当者を置き、2030年までの日本での承認取得を目指しているとされます。ただし実現には新しい規制の枠組みか法改正が必要と見られています。
隣の韓国では、2026年8月に当局がPolymarketを違法賭博として遮断する方針を決めました。
(出典:Polymarket開発者向けドキュメント、AGBrief(2026年6月)、The Block(2026年5月)、The Korea Times(2026年8月))
企業・マーケターにとっての意味
日本企業が予測市場とどう向き合うべきか。現時点で言えることを整理します。
データとして使う:海外の選挙やスポーツ、マクロ経済イベントの「市場の見立て」として参照する価値はある
日本向けに勧誘しない:日本居住者に予測市場の利用を勧めるプロモーションやKOL投稿は、法的な位置づけが定まるまで避ける(海外プロジェクトの日本進出のルールも参照)
海外施策は国ごとに確認:米国でも州によって扱いが違い、韓国のように遮断した国もある
スポーツ・エンタメの提携を注視:リーグとの提携が広がると、スポンサーやファン施策の形が変わる可能性がある
予測市場は、情報と金融とエンタメが交わる新しい領域です。だからこそ、国ごとのルールの違いを踏まえた発信が欠かせません。
まとめ
予測市場は、2026年に米国で急成長した「出来事の確率」を売買する市場です。
規模:2026年9月の取引高は額面で約12.7兆円。ただし実際の支払額はその数分の一
勢力図:CFTC認可のKalshiが約4分の3。Polymarketは米国に再参入
規制:米国では連邦と州が法廷で争い、日本では法的な位置づけが未確定
日本での利用や宣伝には慎重さが必要ですが、海外の動きを正しく理解しておくことは、Web3やスポーツ・エンタメの海外展開を考える企業にとって大きな武器になります。
株式会社Dawinは、北米・東南アジア・欧州など幅広い地域を対象に、海外向けのSNS・インフルエンサー(KOL)マーケティングを支援しています。なかでもWeb3関連事業のマーケティングでは国内トップレベルの実績があります。
国ごとのルールを踏まえて、Web3プロジェクトの海外発信を設計したい。そんなご相談を歓迎しています。
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