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円建てステーブルコイン比較|JPYC・JPYSC・3メガバンク共同発行の違いと現在地【2026年10月】
日本円のステーブルコインは、JPYC(資金移動業型)、JPYSC(信託型)、3メガバンクの共同発行という3つの方式が並び立ちました。それぞれの仕組みと規模、1周年を迎えたJPYCの累計発行額約120億円という現在地、世界との差、企業が今できることを比較表つきで整理します。

「ステーブルコインを事業に使えないか検討してほしい」。経営層からそう言われて、まず日本円の選択肢を調べ始めた担当者は多いのではないでしょうか。
2026年の日本では、円建てのステーブルコインが一気に具体化しました。2025年10月に始まったJPYCが1周年を迎え、6月には銀行グループによる信託型のJPYSCが登場し、3メガバンクも共同発行の準備を進めています。
ただ、それぞれの仕組みや規模の違いは、ニュースを追うだけでは見えにくいものです。この記事では、3つの方式を比較表で整理し、現在地と企業が今できることを考えます。
この記事でわかること
JPYC・JPYSC・3メガバンク共同発行の仕組みと違い
各コインの発行額・残高などの最新の数字
ドル建てステーブルコインとの規模の差
企業が今の段階で検討できる使い道と注意点
結論:3つの方式が出そろった。規模はこれから
円建てステーブルコインは、資金移動業型のJPYC、信託型のJPYSC、そして3メガバンクの共同発行という3つの方式が並び立つ段階に入りました。
JPYC:パブリックチェーン上で誰でも受け渡しできる。累計発行額は約120億円
JPYSC:SBIグループの信託型。9月7日時点の残高は約201億円
3メガバンク:銀行預金を裏付けにした信託型。2026年度中に実取引を始める予定
一方で、世界のステーブルコインの総額は約48兆5,120億円(3,032億ドル)です。円建ては合わせても数百億円の規模で、世界全体の0.1%にも届いていません。
3つの方式の比較
項目 | JPYC | JPYSC | 3メガバンク共同発行 |
|---|---|---|---|
方式 | 資金移動業型 | 信託型 | 信託型 |
発行体 | JPYC株式会社 | SBI新生信託銀行 | 3メガバンク |
開始 | 2025年10月 | 2026年6月 | 2026年度中に実取引の予定 |
規模 | 累計発行約120億円・流通約30億円超 | 残高約201億円(9月7日時点) | これから |
特徴 | 複数のパブリックチェーンで流通 | 裏付資産の一部を短期国債で運用 | 銀行預金が裏付け |
資金移動業型は、送金サービスと同じ枠組みで発行されます。信託型は、発行額に見合う資産を信託銀行が管理する仕組みで、2026年6月の制度改正により、裏付資産の一部を短期の国債などで運用できるようになりました。
(出典:JPYC株式会社、SBIホールディングス(2026年9月7日)、金融庁「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」事務局資料(2026年10月20日))
JPYC:1年で累計約120億円。課題は「流通」
JPYCは、2025年8月に資金移動業者の登録を受け、10月27日に発行・償還の窓口「JPYC EX」を開始しました。Ethereum、Polygon、Avalanche、Kaiaといった複数のチェーンで使えるのが特徴です。
累計発行額の推移は次のとおりです。
2026年5月30日:30億円を突破(口座開設は約1万9,000件)
2026年9月18日:100億円を突破
2026年10月下旬:約120億円、口座開設は2万8,000件超
一方で、市場に出回っている流通量は約30億円超にとどまります。報道によると、同社は現時点で赤字で、黒字化には500億〜1,000億円の流通が必要とされています。
発行しても、すぐ償還されて円に戻るなら流通は増えません。持ち続けて使う理由をどうつくるかが、2年目の最大のテーマです。
(出典:JPYC株式会社 発表(2026年5月・9月)、CoinPost(2026年10月28日)、日本経済新聞の報道)
JPYSC:銀行グループの信託型。残高は約201億円
JPYSCは、SBI新生信託銀行が発行する国内初の信託型の円建てステーブルコインです。電子決済手段等取引業者のSBI VCトレードが発行と流通を担います。
2026年9月7日時点の残高は約201億円。あわせて「JPYSCレンディング」の申し込みが約69億円あり、合計で約270億円の規模になりました。
裏付けの信託財産のうち10億円は、短期国債で運用しています。今後は送金、決済、オンチェーンでの外国為替取引、トークン化資産の決済などへの活用を目指すとしています。
(出典:SBIホールディングス「JPYSCの発行残高等について」(2026年9月7日))
3メガバンクの共同発行:2026年度中に実取引へ
三菱UFJ・三井住友・みずほの3メガバンクは、信託型のステーブルコインを共同で発行する計画を進めています。2025年11月に金融庁が支援するプロジェクトの第1号案件に選ばれ、2026年6月には、2026年度中に実取引を始めると公表しました。
銀行預金を裏付けにする点が特徴です。企業間の決済や送金で、銀行が発行する安心感がどこまで評価されるかが注目点になります。
世界との比較:ドル建ては約48.5兆円、1年ほぼ横ばい
世界のステーブルコインの総額は、2026年10月28日時点で約48兆5,120億円(3,032億ドル)です。1年前の約49兆400億円(3,065億ドル)からほぼ横ばいで、2026年5月の過去最高の約50兆7,360億円(3,171億ドル)を下回っています。
米国では、ステーブルコインの法律(GENIUS法)に基づく規則を通貨監督庁(OCC)が2026年10月21日に最終決定し、2027年1月18日に施行されます。
プレイヤーと制度は整ったが、市場全体はまだ伸び悩んでいる。この点は、ドル建ても円建ても共通しています。
(出典:DefiLlama(2026年10月28日取得)、米通貨監督庁 Bulletin 2026-50(2026年10月21日))
普及の鍵は「使う場面」
なぜ発行額ほど流通が増えないのか。理由は、技術ではなく使う場面の少なさにあります。
受け取る側:ステーブルコインで代金を受け取れるお店やサービスがまだ少ない
会計・税務:企業が保有・支払いに使うときの処理を、社内で整理しきれていない
ウォレット:一般の利用者にとって、受け取りや保管の手順がまだ難しい
逆に言えば、使う場面をつくった企業やサービスが、最初の利用者を獲得できる段階です。
企業が今できること
小さな実証:社内の経費精算、取引先との少額決済など、影響の小さい範囲で試す
海外とのやりとり:海外のパートナーへの支払いや、Web3プロジェクトとの取引での活用を検討する
施策の報酬:キャンペーンやコミュニティの報酬を、ポイントの代わりにステーブルコインで渡す設計を考える
ルールの確認:電子決済手段としての取り扱い、会計処理、税務を、導入前に専門家と確認する
どの方式を選ぶかは、使う相手と場面で決まります。パブリックチェーン上で自由に流通させたいならJPYC、銀行グループの安心感や大口の運用を重視するならJPYSCや3メガバンク案、という整理が出発点になります。
まとめ
円建てステーブルコインは、2026年に「3方式が出そろった」段階に入りました。
JPYC:累計約120億円。流通を増やす使い道づくりが課題
JPYSC:残高約201億円。SBIグループの決済・運用と連動
3メガバンク:2026年度中に実取引を開始予定
世界との差はまだ大きいものの、制度と発行体がそろった今は、使う場面をつくる企業に機会がある時期です。
株式会社Dawinは、北米・東南アジア・欧州など幅広い地域を対象に、海外向けのSNS・インフルエンサー(KOL)マーケティングを支援しています。なかでもWeb3関連事業のマーケティングでは国内トップレベルの実績があります。
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